科学技術コミュニケーションとは何か?

一言で「科学技術コミュニケーション」と言っても、その目的や手法は多様です。別名としては、科学コミュニケーション、サイエンスコミュニケーション、science communication、science and technology communication、science and engineering communicationという言葉もあります。

科学技術コミュニケーションとは何かを明らかにすることは、「科学技術コミュニケーター」同士のコミュニケーションを円滑にするとともに、真に社会に求められる科学技術コミュニケーションを、多様な活動の総体によって実現する基盤となります。本研究室では、フィールドを重視しつつ、マクロな視点・歴史的な視点を持って、様々な事例から「科学技術コミュニケーション」という相互行為を明らかにする調査・研究を行っています。

なお「科学技術コミュニケーション」と言った場合、「科学者が一般市民に科学をわかりやすく伝える」「科学者が一般市民と対話する」といった形で捉えられることが多くあります。整理のために、これを外的科学技術コミュニケーション(exo-Science Communication)とします。この教育的な側面をもつexo-SCは重要であることは言うまでもありません。一方で、視点がexo-SCに偏ることは、科学を所与の不変の存在として、「一般市民」を受け手として固定化することにもつながります。

そこで本研究室では特に、異なる領域の専門家同士のコミュニケーション(内的科学技術コミュニケーション:endo-Science Communication)に着目しています。ここでの「専門家」は学術的、職業的な専門家をさしてはいません。異なる価値や知識体系をもつ人・組織をさしています。さらにいえばコミュニケーションを構成する要素は人間にとどまらず、あらゆる事物も含まれます。これらの相互作用というendo-SCの観点に立つことで、研究の観点は格段に増え、より多様な科学技術コミュニケーションのアプローチにつなげることも可能になるのです。

研究事例

  • 科学技術コミュニケーションとしての学際研究とメタ学際研究
  • 科学知と実践知という二分法の再考
  • 「科学技術リテラシー」とは何だったのか

構想中

  • 研究成果から様々な非学術コンテンツへの翻訳の「妥当性境界」はどのように構築されるのか
  • アート作品や様々な言説にみられる生物趣味(meta-biologism)から考察する学術知の伝播