科学技術史特論2018-1 はじまる

前期に担当している大学院科目「科学技術史特論」。昨年度からは私が指定したデュアルユースに関係する図書を輪読するという苦行めいた形式でやっています。しかし、なかなか奇特な学生さんがいるもので、今年も希望者が3名集まり実施することになりました。

前半は、科学技術・研究者と軍事の歴史的な関係を概観するために、アニー・ジェイコブセンの“The Pentagon’s Brain: An uncensored history of DARPA, America’s top secret military research agency” (2015) を輪読。和訳も出ているので読み比べ可能です。

後半は現代の生命科学とデュアルユースを扱った“Web of prevention: Biological Weapons, Life Sciences and the Governance of Research” Ed. Brian Rappert, Caitriona McLeish (2014)を読みます。バイオ系デュアルユースといえばこの人、というマルコム・ダンドーや、STSのブライアン・バルマーが執筆しています(この二人は去年のこの授業で輪読した“Innovation, Dual Use, and Security: Managing the Risks of Emerging Biological and Chemical Technologies”(2012)も執筆)

最終的には自分の分野におけるデュアルユース問題についてまとめてもらう予定です。学生さんの専門分野は地球惑星科学、地震学、理論物理学とデュアルユースと関連が深そうなので期待大です。