超高齢化社会の諸問題の解決のための実践研究、ジェロントロジー(総合長寿学)は、日本の科学技術・社会技術の柱の一つとなるでしょう。
今年度から高齢者に関する研究を始めたため、勉強のために「エイジングフォーラム2011」に参加してきました。
会場は目黒雅叙園。
「假屋崎省吾の世界展」も別会場で開催しており、群がるマダム達が元々独特な館内にさらに色を添えていました。
カオス。
医療系のシンポジウムなのでやはり会場は豪勢です。
初日は高齢化社会についての総論的内容で、一番初めには東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫先生が基調講演。
その後、「高齢者」といっても健康状態が良好な人口は過去に比べ増加している、といった話題提供もあったものの、財界人や経済学の専門家による講演が続きました。
基本的に高齢者は新たな市場であると同時に、貴重な労働力であるという点では共通認識のようです。
慶応大学の権丈善一先生が社会保障と税財政について怒涛の講演するも、経済学の知識がないものにはサッパリ・・・
最後は自治体における実例として、東京都副知事 吉川和夫氏、福井県知事 西川一誠氏、千葉県柏市市長 秋山浩保氏が講演をしました。
・地方の高齢者の割合は22-23%なのに対し、東京都の高齢者割合は20%
・一方、地方の独居率16%に対し、東京都は24%
・福井県の3世帯同居率は20.2%であり、近居(15分以内に居住)を含めると60%
・高齢化の状況は異なり、異なる対応策が必要
柏市と福井では東大高齢研が自治体と連携して研究を進めているとのことでした。
福井では農業従事者が多いため、生産物を共同集荷し販売することによる生きがいづくりや、自治体のワゴンバス運行、さらには小型EVのモニター調査も実施しており、かなり幅広い取り組みとなっているようです。
社会貢献に積極的で、労働する70代前後の新しい高齢者像を確立させる必要がある、という提案にはそうだろうとは思いつつも、具体的にどういった業種・雇用形態があり、全年齢層と調和しつつ経済的にも持続可能なのかといった点には特に言及がないのは気になりました。
その点については二日目にあるのかもしれませんが・・・
社会のひずみを高齢者ボランティアでとりあえずつぎはぎし続ける、という高齢者総動員に結果的にならなければよいが、というのはいらぬ懸念でしょうか、どうでしょうか。
いずれにせよこの分野についてよく理解するには圧倒的に勉強不足なのは確かです。
【おまけ】
昼食はワゴンでうっていたタイ料理を目黒川沿いで。
他にもおいしそうなお弁当屋さんがあり、東工大のあるグレート岡山とちがって充実しています。
ま、私がグレート岡山周辺に売っている若者向けのお弁当に口が合わなくなってきているんですが。
これも老いか・・・