ゼミOB成田吉希さんが東北大SyDEで講義

CoSTEP19期研修科で昨年度ゼミ生の成田吉希さんが、同じく19期選科の宮岸太一さん(東北大学 工学研究科 修士課程2年)からの打診で、東北大で講義をしました。成田さんによるレポートを掲載します。


CoSTEPのご縁で東北大学で講演してきました!(OB成田吉希)

科学技術コミュニケーション研究室OBの成田吉希です。

2024年度CoSTEPでお会いした宮岸さんの取り計らいで、8月6日に東北大学変動地球共生学卓越大学院プログラム(SyDE)でマーシャル諸島の核実験遺産に係る過去の歴史と近年の動きを講義してきました。SyDEは、博士前期・後期課程の学生を対象に、専門性を核に俯瞰力・コミュニケーション能力・実践力・倫理観・国際性・探求力・リーダーシップを有するスノークリスタル型人材の育成を目指しており、本事例を通じて倫理観について考えるきっかけを与えて欲しいとの依頼でした。

ちょうど、研究室でも取り組んだ内容をSpringerから出版*1したタイミングで、同様の内容を太平洋諸島学会でも発表した直後でもあったため、科学がもたらす不可逆性と歴史的出来事が現在に及ぼす影響について科学技術社会論(STS)の観点でも説明することができたかと思います。また、CoSTEPの経験を生かして、自分の科学技術コミュニケーター像を確立すべくリーダーシップを発揮している宮岸さんの様子が頼もしかったです。

講義する成田
宮岸さん

偶然ではあるのですが、8月6日は太平洋戦争で広島に核爆弾が投下された日でした。太平洋戦争と核爆弾の投下は、日本のSTSにとっても避けることができない出来事でもあります。一方でこれらは自分が関心を寄せる太平洋島嶼国にとっても強い影響を現在にも残し、次の研究テーマは太平洋戦争後、約80年経ってなお島嶼国に残存する戦争遺産について取り扱いたいと考えています。東京での新しい仕事を始めたばかりで両立の問題がついてまわりますが、若い世代にも負けずに取り組んでいきたいと思いました。

ちょうど8月6日は仙台で七夕祭りの日でした!

 

  1. Narita,Y. & Abe, M. “Revisiting Nuclear Legacy in Marshall Islands: The Implications of Transitional Justice and Trans-science” Manaco, E. & Abe, M. ed. “Sustainable Development Across Pacific Islands” Springer 2024