川本は北海道大学CoSTEPのSNS「いいね!Hokudai」に連続企画「#物語の中の北大」を2023年5月から定期掲載しています。川本はCoSTEPに2023年度まで所属しており、その活動の一環でしたが、CoSTEPを離れた後も継続して執筆しています(2024年3月で終了予定)
この企画では様々な物語、特に小説の中で北大が描写されている一節を紹介していきます。残雪にぬかるむ春、爽やかな夏、静かな秋、全てが白く覆われる冬。その中で織り成される人間模様。古今の作品は、北大を訪れたことがある人にも、そうでない人にも、その情景を鮮やかに再現してくれます。本を片手に、描かれたその地を訪れてみるのも一興。ちなみに記事掲載のタイミングは、物語で描かれた季節や月日にあわせています。
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33. 『流氷への旅』冬から春へ。雪どけの札幌、低温研
2025年3月28日掲載
作者: 渡辺淳一(1933-2014)北海道空知郡砂川町生まれ・北海道大学入学(教養課程修了後に札幌医科大学入学)
出典: 渡辺淳一『流氷への旅』(集英社1980)
物語中の時代: 1980年前後3月最後の金曜日
32. 『クラーク博士は一切動ぜず』大将の肉チャーと学ラー
2025年3月3日掲載
作者: デザイン: EO,小説: 浅木原忍 浅木原氏は北大文学部卒
出典: 『クラーク博士は一切動ぜず』(2015)
物語中の時代: 2010年代冬
31. 『極北のレクイエム』戦場のようにごったがえす大食堂
2025年1月31日掲載
作者: 北野慶(?-)北大文学部哲学科卒
出典: 『復刻版 極北のレクイエム』(kindle版2021)/初出:彩流社1986
物語中の時代: 1969年1月中旬(23日より前)
30. 『シャトゥーン ヒグマの森』広大な天塩研究林
2024年12月31日掲載
作者: 増田俊成(1965-)北大文学部中退・北大柔道部出身
出典: 『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社2007)
物語中の時代: 2000年代後半?
29. 「嘘をつく。そして決して離さない」そこの大学
2024年11月22日掲載
作者: 似鳥鶏(1981-)北海道大学法科大学院修了
出典: 「嘘をつく。そして決して離さない」『青藍病治療マニュアル』収録(KADOKAWA2015)
物語中の時代: 2010年代11月中旬以降の日曜日
28. 『海猫』黄金色に光る銀杏並木
2024年10月26日掲載
作者: 谷村志穂(1962-)北海道札幌市生まれ・北大農学部卒業
出典: 『海猫』(新潮社2004)/初出:2002
物語中の時代: 1977+1-2年10月下旬~上旬
27. 『札幌殺人事件』植物園のヤチダモ
2024年10月15日掲載
作者: 内田康夫(1934-2018)
出典: 『札幌殺人事件』(光文社1994)
物語中の時代: 1994年10月15日
26. 『アリハラせんぱいと救えないやっかいさん』鴨たちがいたりする大野池
2024年10月4日掲載
作者: 阿川せんり(1988-)北海道虻田郡倶知安町生まれ・北海道大学文学部卒・文芸部出身
出典: 『アリハラせんぱいと救えないやっかいさん』(KADOKAWA2017)
物語中の時代: 2010年代?
25. 『沈黙のパレード』痛ましい事故
2024年8月9日掲載
作者: 東野圭吾(1958-)
出典: 『沈黙のパレード』(文藝春秋2021)/初出:単行本2018
物語中で言及されている時代: 1992年8月10日
24. 『海猫』夕映えのキャンパス
2024年7月22日掲載
作者: 谷村志穂(1962-)北海道札幌市生まれ・北大農学部卒業
出典: 『海猫』(新潮社2004)/初出:2002
物語中の時代: 1977年夏
23. 『石狩平野』演武場の博物室
2024年7月8日掲載
作者: 船山馨(1914-1981)北海道札幌市生まれ・実父が東北帝国大学農科大学(後の北大)の学生
出典: 『石狩平野』(河出書房1967)
物語中の時代: 1885年6月15日以降(北海道神宮祭の後という記述があるため)
22. 『鳴海仙吉』畑に変わってしまった中央ローン
2024年6月24日掲載
作者: 伊藤整(1905-1969)北海道松前郡生まれ・北海道帝国大学予科講師
出典: 『鳴海仙吉』(細川書店1950)
物語中の時代: 1947年6月~初夏
21. 「翳の女」遠くの手稲、風が走っていく農場
2024年6月18日掲載
作者: 寺久保友哉(1937-1999)北大医学部卒
出典: 「翳の女」『恋人たちの時刻』収録(新潮社1979)/初出:『新潮』(1978.4)
物語中の時代: 1978年6月
20. 「美奈」ラグビー場と青いポプラ
2024年6月10日掲載
作者: 寺久保友哉(1937-1999)北大医学部卒
出典: 「美奈」『恋人たちの季節』収録(角川書店1986)/初出:『北大季刊 第24号』(1963.6)
物語中の時代: 1960年代?の6月
19. 『小説版 となりのトトロ』父さんの歌う「みやこぞやよい」
2024年5月26日掲載
作者: 宮崎駿(1941-)/文:久保つぎこ(1943-)
出典: 『小説 となりのトトロ』(徳間書店1988)
物語中の時代: 1950年代5月の日曜日
18. 『リラ冷えの街』植物園のライラック
2024年5月20日掲載
作者: 渡辺淳一(1933-2014)北海道空知郡砂川町生まれ・北海道大学入学(教養課程修了後に札幌医科大学入学)
出典: 『リラ冷えの街』(文藝春秋1980)/初出:北海道新聞日曜版(1970年7月-1971年1月)
物語中の時代: 1970年代5月末
17. 『ミツハの一族』白壁と青緑屋根の昆虫学及養蚕学教室
2024年5月13日掲載
作者: 乾ルカ(1970-)北海道札幌市生まれ・元北海道大学事務補佐員・元放送大学事務補佐員
出典: 『ミツハの一族』(創元社2017)/初出:単行本2015年
物語中の時代: 1924年春
16. 『星座』時計台の鐘
2024年5月4日掲載
作者: 有島武郎(1878-1923)札幌農学校19期生・東北帝国大学農科大学(後の北海道帝国大学)英語教諭
出典: 『星座』(星座の会1989)/初出:1922年
物語中の時代: 1899年5月4日
15. 『下町ロケット ヤタガラス』小川まである緑の多いキャンパス
2024年4月29日掲載
作者: 池井戸潤(1963-)
出典: 『下町ロケット ヤタガラス』(小学館2018)
物語中の時代: 2010年代終わり頃
14. 『ウチらは悪くないのです。』北部生協2階のボックス
2024年4月27日掲載
作者: 阿川せんり(1988-)北海道虻田郡倶知安町生まれ・北海道大学文学部卒・文芸部出身
出典: 『ウチらは悪くないのです。』(新潮社2019)
物語中の時代: 2012年4月~8月頃
13. 『わたしの忘れ物』経年劣化甚だしい学生部庁舎
2024年3月22日掲載
作者: 乾ルカ(1970-)北海道札幌市生まれ・元北海道大学事務補佐員・元放送大学事務補佐員
出典: 『わたしの忘れ物』(創元社2018)/初出:「ミステリーズ!」vol.80-85(2016-2017)
物語中の時代: 1990年代(?)3月19日~5月8日
12. 『夜の果てまで』北大通りの店々
2024年3月15日掲載
作者: 盛田隆二(1954-)
出典: 『夜の果てまで』(角川書店2004)/初出:1999年
物語中の時代: 1990年3月半ば~1991年2月28日
11. 『青春の門 放浪篇』まっ青な空と白一面の雪原とポプラ並木
2024年3月1日掲載
作者: 五木寛之(1932-)
出典: 『青春の門 放浪篇(下)』(講談社1974)
物語中の時代: 1950年代前半
10. 「二月」クラーク像
2024年2月2日掲載
作者: 佐川光晴(1965-)北大法学部卒・恵迪寮生
出典: 「二月」『静かな夜』収録(左右社 2012)/初出:『新潮』(2006)
物語中の時代: 1985年1月18~20日の間(誕生日は2月8日)
9. 「雪ウサギ」農学部の螺旋階段
2024年1月23日掲載
作者: 谷村志穂(1962-)北海道札幌市生まれ・北大農学部卒業
出典: 『ベリーショート』(集英社2003)/初出:単行本1992年
物語中の時代: 1990年代(?) 1月上旬~中旬
8. 『探偵はバーにいる』冬枯れた木立に囲まれた百年記念館
2023年11月24日掲載
作者: 東直己(1950-)北海道札幌市生まれ・北大文学部哲学科中退
出典: 『探偵はバーにいる』(早川書房1995)/初出:単行本1992年
物語中の時代: 1984年晩秋
7. 『警官の血』封鎖された本部事務棟
2023年10月31日掲載
作者: 佐々木譲(1950-)北海道夕張市生まれ
出典: 『警官の血』(新潮社2007)/初出:『小説新潮』(2006年6月号-2007年8月号)
物語中の時代: 1969年10月31日
6. 『プラネタリウムの外側』博物館横からの人文棟/地層パフェ
2023年9月8日掲載
作者: 早瀬耕(1965-)
出典: 「忘却のワクチン」『プラネタリウムの外側』収録(早川書房2018)/初出:『SFマガジン』(2017.12)
物語中の時代: 2017年の8月4日から9月末
5. 「八月」教養棟と生協の外階段
2023年8月10日掲載
作者: 佐川光晴(1965-)北大法学部卒・恵迪寮生
出典: 「八月」『静かな夜』収録(左右社 2012)/初出:『新潮』(2009.3)
物語中の時代: 1985年8月
4. 『緑のなかで』恵迪寮の外壁のツタ
2023年7月11日掲載
作者: 椰月美智子(1970-)
出典: 『緑のなかで』(光文社 2018)/初出:『小説宝石』(2017.12-2018.2)※同時収録「おれたちの架け橋」初出:『進研ゼミ高校講座 マイビジョン』(2016.4)
物語中の時代: 2010年代後半の夏
3. 『七帝柔道記』楡の巨木たち
2023年6月18日掲載
作者: 増田俊也(1965-)北大文学部中退・北大柔道部出身
出典: 『七帝柔道記』角川書店(2013)/初出:『月刊秘伝』(2008.1-2010.10)
物語中の時代: 1986年3月-1987年7月
2. 『死にがいを求めて生きているの』一万人の都ぞ弥生
2023年6月4日掲載
作者: 朝井リョウ(1989-)
出典: 『死にがいを求めて生きているの』中央公論新社(2022)/初出:『小説BOC』(2016.4-2018.7)
物語中の時代: 2013年頃の6月(ジンパ問題が扱われているため)
1. 『続・氷点』工学部前のかえで
2023年5月31日掲載
作者: 三浦綾子(1922-1999)北海道旭川市生まれ
出典: 『続・氷点』角川書店(1982)/初出:朝日新聞朝刊(1970.5.12-1971.5.10)
物語中の時代: 1960年代末-1970年初頭の春