第58回日本工学教育協会年次大会で発表するため、仙台に行ってきました。
会場は東北大の川内キャンパスです。
日工教は工学系の高専、大学、企業おける工学教育に関する実践、研究を行っている人による団体です。
今回は「工学系人材のためのコミュニケーションデザイン教育」というタイトルで他4名の方と発表し、ワークショップを開催しました。
私はコミュニケーション教育の学習・教育成果を評価する方法について先行事例をレビューする発表を行いました。
ワークショップでの議論の土台とするためです。
コミュニケーション教育の評価方法の課題は、
・「コミュニケーション能力」とは何か、
・それをどのように教育・学習するか、
・いつ、何が、どれくらい達成できたらどう評価するのか、
・だれが評価するのか、
という点について、一貫した教育デザインが必要なのですが、現状では教育方法に注目が集まっており、評価の方法まで手が回っていないという点にあります。
評価はそれぞれ独自の方法でやっていればいいじゃないか、という話もあるかもしれません。
しかし、工学教育では、シラバス・枠をつくりました、学生が履修しました、という履修主義ではなく、実際に学生がどのような能力を身に着けたのかという到達度を評価する修得主義でなければならない、という流れがあります(工学教育に限りませんが)。
これは工学教育と、その成果である輩出される工学人材を標準化し、人材の国際的流動性を促進しようという考えからきています。
日本ではJABEE(日本技術者教育認定機構)が教育内容の大まかな指針を示し、評価指標を定めた教育を行い、設定された能力を身につけた人材を輩出するように求めています。
JABEEはワシントンアコードに加盟しており、
JABEEに認定された教育機関を修了した人は、世界的にその能力を認定されるというわけです。
(だいたい世界基準はイギリスやアメリカが決める・・・)
さておき、ワークショップでは実際に工学系の先生方からいろいろなご意見をいただきました。
やはり、かなり具体的・スキル的な能力が求められているようです。
たとえば、最低限の能力として身に付けさせる具体的な能力としては、自分の技術をいろいろな人に伝える能力があげられました。
また、そもそもコミュニケーション教育を行える教員がいない、といった耳の痛いご意見もありました。
ということでやはり教育方法に主な関心が集まったワークショップですが、まずは東工大でのコミュニケーション科目で評価方法を明確にしたプログラムに練り直そうと思います。
【余談】
泊まったホテルはネコがたくさんいるホテルでした。
あいそがよいわけでもなく、悪いわけでもないのがよい感じで、カウンターでお出迎え。
他にもネコ2匹と犬1匹にあいました。
彼らがいると宿の方とのコミュニケーションが弾みます。
彼らの働きはどう評価されているのでしょうか?
なんて考えるのはやぼでしょう。