科学技術と社会

今年度前期、青山学院大学で非常勤講師を勤めさせていただきました。

お話をいただいたとき、「あああ青山!」と田舎者の自分はびびりましたが、勤務地は相模原キャンパス。
最寄駅は相模原駅ではなく、淵野辺駅。

駅から少々歩いて門を入ると木漏れ日の並木道

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さ、爽やかな空気の中、おしゃれな学生さんが歩いてます・・・・

ミッション系なのでメソジストの創始者の名を冠した教会「ウェスレーチャペル」もあります。

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芝生はきれいに整備されています。間違ってもジンパなどやっている学生はいません。

A棟「アリーナ」

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面白い形をしていますが、奇をてらっている感のない落ち着いた雰囲気もあります。

並木道の突き当りにあるB棟(メディアセンター)。ここに事務や図書館などが入っています。

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事務の方もとても親切迅速で逆にびっくり・・・

担当したのは「科学技術と社会」(社会情報学部・月曜14:55-16:25)。
初回は震災一ヶ月後の4月11日。
正に科学技術と社会について関心が高い時期で、多くの学生さんが履修してくれました。

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到達目標
科学技術社会論、科学技術コミュニケーション、科学技術リテラシー、そして生物学の観点から、社会の様々な側面で行われている科学技術コミュニケーションを、具体的な事例を通して紹介する。授業の目標は、現代社会の要請として再発明されつつある社会イノベーションとしての科学技術コミュニケーションを理解することを通して、科学技術と社会に対する多面的な視野を獲得することである。
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講義概要
 科学技術と社会の関係は、社会を担う個人の数だけ多様である。本講義では、科学技術の発達とコミュニケーションの様式の変化が、科学技術と社会の関係を変化させつづけていることを、多様な事例から示す。今日的な課題であるパンデミックや遺伝子組換作物などの社会的な事例だけではなく、人々が自然や科学をどう見てきたのかを、近代科学以前の時代の視点や、科学技術リテラシーの視点で紐解く。さらに、科学技術と表裏一体の関係にあるコミュニケーションを、知識の進化やイノベーション普及の視点で捉える。これらを踏まえ、今実践活動としてどのような教育・実践が行われているのかを解説する。本講義を通して、履修者自身としてどう科学技術と社会と関わっていくのかを考察してほしい。
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1.4月11日
なぜ「科学技術」と「社会」なのか
 全体ガイダンス:社会と科学技術の関係を考える必要性とは

2.4月18日
「科学技術と社会」の時代(1)
 自然災害・原子力災害

3.4月25日
「科学技術と社会」の時代(2)
 放射線障害・公害病

4.5月9日
科学技術リテラシーとは何か(1)
 市民社会に参加するためのリテラシー

5.5月16日
科学技術リテラシーとは何か(2)
 科学とアート・パロディ

6.5月23日
科学とウソ・大げさ・紛らわしい
 疑似科学から論文偽造、ソーカル事件まで

7.5月30日
知識とイメージの博物館
 「科学」以前の知識の意味

8.6月6日
生命への挑戦
 生殖/再生医療・エンハンスメントと生命倫理

9.6月13日
知識は社会の中でどう進化するのか
 ミーム・モード・イノベーション・コミュニケーション

10.6月20日
ネットの海をどう泳ぐ?
 氾濫する情報とクラスタ化

11.6月27日
コミュニケーションの社会システム
 市民による新たな科学技術ガバナンス

12.7月4日
グリーンイノベーションとコミュニケーション
 新エネルギー導入の社会的課題
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節電のための夏休み前倒しのため、12回と通常より少し少な目になりましたが、これまでの研究等を一つながりにして再考する良い機会になりました。

授業では毎回感想カードを書いてもらい、次の回の前半にその回答をしたり、それをもとに次の回につなげたりと、なるべく私が提供する情報以外も授業に組み入れるようにしました。
なかなか面白い意見もあって勉強になりました。

また来年機会があれば、淵野辺キャンパスで。