EUPVSEC(その一

European Photovoltaic Solar Energy Conference、略してEUPVSECは、EUで開催される太陽光関連研究の世界大会です。他にもアジア、アメリカでも毎年PVSECが開催されています。
掛川での太陽光発電自己診断支援システムの普及と市民意識に関する研究についてポスター発表をするために参加してきました。

第26回の今回は9月5日から9日まで。
フランクフルト経由で4日夜に現地到着。
会場はドイツ・ハンブルグにあるCCH(Congress Centre Hamburg)

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オープニングセッションで印象的だったのは、ギリシャの環境エネルギー省長官G.Papaconstantinou氏自らによる「ヘリオス計画」。2020年までに10GWを導入し、EU域内へ売却するという計画ですが、経済危機もあるためそのための大規模な対策の一つとしているようです。

また、アメリカのエネルギー省からもM.Le氏がいかにもアメリカ、シリコンバレー的(?)な熱っぽいプレゼンをしました。

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写真はそのLe氏。
スライドに”Sputnik”とあるように、スプートニクショック後の”moon shot”―アポロ計画になぞらえ、10年以内に太陽電池の75%のコストダウンを目指す”Sun Shot”をぶち上げていました。

このように学会の雰囲気は明るく、基本的にどの発表も将来を担う自信と確信に満ちているのが印象的でした。
企業展示の規模もでかい。下の写真は展示会場。
毎年参加している共同研究者の植田先生によると、これでも昨年のバブル的勢いに比べると少し落ち着いたとのことでした。

展示の中ではやっぱり中国企業の展示が目立っている印象がありました。
一方日本大手メーカーは存在感皆無。
もっともこれは機密保持と開発優先で出てこないためであり、技術と信頼性についての日本優位は変わらない、とはTK大某先生の談。

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ま、なんにせよ私に商談は関係ない・・と思っていると、solarschmuckという会社が廃棄されたソーラーパネルのかけらを使ったアクセサリーを小さなブースで売っていました。
ほどほどのお値段で面白かったのでお土産に一つかいました。

初日最後のセッションでは植田先生が急きょ座長をやるはめになってしました・・・
セッションタイトルは”Large PV power Plants and Distributed PV Performance Prediction and Analysis”
PVの発電性能をモニター・分析する研究に関するセッションです。

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写真のスロベニアの方はsolarGISという設置前診断システムについて。
設置前にどれくらいの規模のPVを設置すればどれくらい発電をして、どれくらいの期間でコスト・エネルギー的にペイバックするのかを予測するのは、大規模PVに出資する人にとっても、設置者本人にとっても重要なことです。

終了後共同研究メンバーで街へ。
会場からU-Bahn(地下鉄)で一駅、内アルスター湖と運河のほとりにある”Friesenkeller”。

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ビールがうまい。料理も予想外においしい。太りそうなものばかりですが。

飲み終わるとすっかり日が落ちていました。
塔のある建物は市庁舎。

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EUPVSECは明日も続きます。
だいたいまだ発表原稿できてない・・・