コゴトジジイ空を飛ぶ。飛行特性をシミュレーション中。
みなとみらいにある三菱みなとみらい技術館に行きました。
ランドマークタワーの裏、横浜美術館の横にあります。入場料は大人300円
入口にはH2Aと風車がそびえ立ち、2フロアからなる館内には、航空機、ロケット、衛星、潜水艇、艦船、鉄道、エネルギープラントなど男子大興奮のオブジェクトが並んでいます。
冒頭に掲載した写真は風洞シミュレーション体験機で、好きな形を描いてシミュレーションすることができます。
一階の中央、三菱重工が開発している小型旅客機MRJ関連展示の周辺にありました。
MRJのモデル。
実際の風洞実験に使われた貴重なモデルもありました。
その他の一階の展示ではやはりロケットが目立っていたのですが、個人的趣味としては潜水艇を押したい。
深海艇しんかい6500の1/2カットモデルと実物大の深海探査艇うらしま
そして地球深部探査船ちきゅうの模型。
ドリルの先端部の展示もありました。
しかしシロウリガイの液浸標本のエタノールが半分蒸発してた!これはいかんよ!!
2階あがってすぐにはエネルギー関連の展示がありました。
加圧水型原子炉のモデルが2つ展示されていましたが、すぐ脇には「今回の事故をうけ三菱重工も云々・・・」というパネルが。
これまでもいくつかの科学館で原子炉の模型は見ましたが、今回ほどじっくり見たことはありませんでした。
「フクシマ? フクシマ??」と親に尋ねる小さな子が来たりして、あらためて今の異常な状況を思いました。
(ちなみに「フクシマ」は沸騰水型、展示されていたのは加圧水型)
格納容器全体の模型
原子炉容器部分のアップ
原子炉容器の模型
この原子炉の模型の横には、シートで覆われた展示がありました。何の展示だったのか気になります。
その他のエネルギー関連の展示は、どこの科学館にもあるような新エネルギー・エコ関連のものでした。
はっきりいってパッとしない。
このエネルギー展示のせいというわけではありませんが、全体としてもう少し尖がってほしいなという印象を持ちました。
まず第一に、本物をもっと見せてほしい。
模型や映像だけではなく、本物を見せられるのは貴重なオリジナルを持つ三菱重工しかできないことでしょう。
来場者はやはり本物を見たいものです。
本物は物だけではありません。F-1の開発に携わった技術者の方に解説していただけるとなれば一見の価値ありです。
第二に、歴史・軍事をはっきりと見せてほしい。
2階には、伊号潜水艦や百式司偵などの大戦期の艦船や航空機の模型が展示されていましたが、全く存在感がありませんでした。
出羽の守になってしまいますが、ロンドンのサイエンスミュージアムでは、ロケット関連展示の冒頭にはV2が展示されており、その他にも兵器と民生品が並んで展示されていました。
三菱重工の兵器を含む様々な技術が激動の時代を支え、連綿と積み重ねられてきた技術は今の技術につながっていることを伝えることは非常に重要なことだと思います。
日本は兵器を展示することをはばかる雰囲気があるように思いますが、堂々と展示してほしいものです。
第三に、三菱重工のすごさをもっと示してほしい。
展示は基本的に三菱重工の製品だけなので、同時代の他の物と比較して何がすごいのかわからないのです。
やりすぎると三菱重工のミュージアムという性格がぼやけてしまうでしょうが、ある程度は必要ではないでしょうか。
ということで、三重驚異のメカニズム! 黒鉄の城、重工技術館!!くらいの勢いが欲しい。
館外にはかつてこの地にあったドックの位置を示したプレートがありました。
正に本物の地にたつミュージアムなのですから、もっとハードコアでもよいのではと勝手ながら思いました。
とはいえ一見の価値はある場所です。
ドック跡である日本丸メモリアルパークやドックヤードガーデンを見たついでに、三菱みなとみらい技術館に立ち寄るのもよいでしょう。
横浜の歴史の担い手を知ることができる見どころです。
(※今回のエントリにはもっと写真を掲載する予定でしたが、ハードディスクが仮死状態のため画像が取り出せず・・・復旧次第追加掲載する予定です。)
11/1写真追加