走れスローサイクル

2月10日に開催された北大リサーチ&ビジネスパークセミナーの情報を某所からいただきました。
産学連携の取り組みについて情報交換をするセミナーらしいのですが、そこで東北大が開発したペダル付車椅子「プロファンド」が紹介されていました。

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結構かっこいいです。どういった操作感なのか乗ってみたいですね。

東北大とTESSという会社が共同開発し、理学療法的な観点での効果測定や、院内での移動距離増大などのデータを取っています。
一般的な車椅子より移動量が増え、それによりリハビリが促進されるようです。
「足漕ぎ車椅子の開発と生活支援 – 東北大学」
 http://web.bureau.tohoku.ac.jp/kohyo/koho/ashikogi.pdf

さらに介護・医療に強いフランスベッドがモニターの窓口に。
「お試し >足こぎ車いすプロファンド」
 http://www.francebed.co.jp/trial/products/profhand.html

いろいろ検索してみると非常に参考になるサイトがありました。
「認知症を改善するのは可能か ペダルつき車椅子 – サイクルロード」
http://blog.cycleroad.com/archives/51410636.html
「ユニバーサル自転車のランドウォーカー」
 http://www.landwalker.co.jp/
「カワムラサイクル Newクークル」

我々がヤマハモータエンジニアリングの「らいふ・ウォーカー」を用いて進めている研究とかなり近いコンセプトの自転車が数種紹介されており、「スローサイクル」と総称されています。
特にNewクークルはかなりらいふ・ウォーカーと似ています。

スローサイクルは法的には車いすですが、ハンドルやペダルなど自転車的な形態をしているということがその定義にようですので、冒頭のプロファンドはスローサイクルではないでしょう(恐らくは。このコウモリ状態がこういったパーソナルモビリティの難しい点です)。

さておき、上記の記事には、ペダルで駆動する乗り物で外出することで足腰も弱らず、認知症も改善できるのではないか、とのことが書かれています。我々の研究では認知症防止・改善を直接の射程としているわけではありませんが、その間接的影響は小さくないのではないか、という仮説のもと研究を進めています。

この分野、まだ大きくはないようですが、着実に研究と実用の面で進んでいるように思えます。
課題はこのようなスローサイクルは屋外で実際の生活の足として使用が可能か、何がそれを可能にし、妨げるのか、そして何が改善されるのか、でしょう。
従来型の車椅子や自転車ですら走るのが難しいのが今の日本の現状です。