科学技術史特論2018-3 Our Friend and/or Fear the atom

3回目となる「科学技術史特論」。まず”The pengagon’s brain”と”A web of prevention”の担当章を決め、残りの時間で”Our friend the atom”(disney, 1957)を視聴しました。

このテレビ番組は、1953年にアイゼンハワーが提唱した “Atoms for Peace(平和のための原子力)” の流れでつくられた、いわゆるプロパガンダです。番組の中では、『海底2万マイル』のノーチラス号や、『アラジンと魔法のランプ』の魔人が、原子力の実例やメタファーとして登場します。ネズミ捕りとピンポン玉を使った連鎖反応の実演はなんどみても面白い。

番組中では、核の危険性も述べられていますが、放射性物質による品種改良等々ずいぶん楽観的な描き方をしています。プレゼンターは物理学者のハインツ・ハーバー。彼はドイツ出身で第二次世界大戦後にアメリカのペーパークリップ作戦で渡米した一人。彼は原子力技術を次のように例えています。

“The atomic genie weights in his hands the powers both creation and destruction”

まさにデュアルユース。

しかしこのようなデュアルユース的政策が、使用実績がある核という兵器の研究・保持の固定・拡散をつくりだしたということも考慮しなければならないでしょう。

次回は “pentagon’s brain”の第一部 “cold war”。”Our Friend the Atom”の時代です。