数理社会学会

数理社会学会に行ってきました。
数理社会学会は、数理的な手法を用いて社会の様々な事象を研究することをテーマとしています。

会場は埼玉県草加にある獨協大学。TK大O岡山キャンパスから1時間半くらいで結構遠いです。
しかし相変わらず暑い・・・

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正門すぐに電光掲示板とグランドがあるという、ちょっと変わった配置のキャンパスです。
大抵の大学ではグランドは校内の奥に配置されているように思いますが、広々としたキャンパスで学生が活発に活動するイメージをアピールしよう、というデザインなのかもしれません。

学会の会場は天野貞祐記念館。
派手すぎず安っぽくなく、オープンである一方重厚さも少し感じられ、なかなか立派です。

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発表はポスター形式で、ネットワーク分析を専門とする研究員のSさんが筆頭で、私とボスも含め3名の連名。
ネットワーク分析によって学生のアンケートから授業評価を行うというものでした。手前味噌ですがギャラリーはポスター発表の中で一番多かったです。

科学技術コミュニケーションは事例や分野が多岐にわたるので、講義を行う場合、複数の講師によるオムニバス授業になる場合が多いのですが、その場合、どうしても各回それぞればらばらの話になってしまい、全体としてきちんと構成された講義なっていたのか、学生はどのようにそれぞれの講義を科学技術コミュニケーションという側面で統合的に認識したのか、というのは分かりにくいという面があります。

そこで毎回講義後に学生アンケートを実施し、重要だと思ったキーワードなどを書いてもらい、そのキーワードのネットワークから、学生全体にどのように講義が認識されたのかを把握するという方法を試みています。

このネットワークは、講義実施側にとっては講義全体の設計を見直す材料となります。また、学生にも見せる事によって、講義を振り返り、そこで語られていた科学技術コミュニケーションを再度考える上での材料にもなるでしょう。

来場者の方からはいろいろ質問を受けましたが、今後この手法を進めるにあたって必要な背景概念の説明や、より簡易に実施する方法について考える事ができました。

また他の方の発表では、都市が同じ趣味や娯楽を持つ人(特に若年層と高学歴層)の結びつきを促進する、という発表や、SNS上で情報伝播に関わる人はどのような性質を持っているのか、という発表が特に興味深く、背景となる理論や、実際に用いている手法が勉強になりました。

小規模ですが、なかなか活発な議論のやりとりがある学会でした。