高校生バイオコン2010の審査員をつとめさせて頂きました。
高校生バイオコンは東京工業大学の生命理工学部がおこなっているプログラムの一つで、高校生が小学生向けの教材を開発し、最終的にコンテストで競うというイベントです。
サポートやイベント運営は東京工業大学の学部生組織であるBio Creative Staffが行っているという点で、相互学習の場として設計されているといえるでしょう。
今年で3回目。
参加高校は6高校から8チーム、そして1中学校から2チームの計10チームでした。
まずステージ上でのプレゼンテーション。
ボルボックスのインバージョンが正に手に取るようにわかる模型「くるりんボルボックス」
菌のカルタ「菌のいろは~おいでよ!菌の世界」
イラストも文章もなかなかのものです。欲しい。
この他にペープサートによる菌の働きを紹介する映像も教材のセットになっていました。
葉緑体の光定位移動を利用した教材「はっぱのお手紙」
オオカナダモの葉の一部をマスキングしてから、フタの内側に青色LEDがついている箱に入れてしばらく待つと、あら不思議。葉に文字が!
中々ハイレベルです。
プレゼンテーションはどの高校も観客を楽しませようという工夫にあふれていて楽しいものでした。
これはやろうと思っても結構できないことなんですよね。
あえて少し厳しいことを言うと、教材で扱っている生き物や組織の知識についての解説が多く、この教材によって何が学べるのか、そのどこが新しく、どのような要素からなる教材キットなのか、といった全体説明が不足しているようでした。
質疑も非常に盛んでしたが、やはりその内容の多くは、その教材で扱っている現象等についての事実関係をたずねるもので、教材自体についてではありませんでした。
この点は、大学生側の指導が必要なポイントではないかとおもいます。
プレゼンテーションの後はホールで「おためしタイム」がありました。
子どもも多く訪れていました。
最終審査結果は審査員によるプレゼン評価だけではなく、おためしタイムでの一般投票もあるので出展者の皆さんも必死です。
様々な生き物の視覚を疑似体験できる「Animal eye」
試験管の底を利用して魚の視覚を体験できるメガネを作ったりといろいろな工夫がありました。
セントラルドグマをピタゴラ装置で表現した「C・ドグマ・スイッチ」
アイディアがよいですね。完成度を高めたらちょっとしたサイエンスアート作品にもなりそうです。
さて最終審査の結果は・・・僅差でしたが優勝はアリの秘密を絵本で表現した「あ!!アリの巣発見」
アリのコスプレで登場し、おためしタイムでもお客さんをひきつけていました。
表彰式と懇親会は大盛り上がりで、普段大学では体験できない雰囲気に大きく刺激されました。
彼らの持つ意欲と能力はすばらしいものです。
大学生も負けていられませんね。
もちろん私もです。