科研費の学内締め切り。
大元の締め切りは11月10日ですが、TK大では一次学内締切が10月12日、二次締切が10月26日となっています。
学内で事務方がチェックする期間をどれくらい本締切の前にとるかは大学によって結構ちがいますが、聞く話によるとTK大はH大より時期が早いようです(未確認情報)。
膨大な数の科研費書類をチェックするのは大変な作業でしょうが、外からお金を取ってくるのは大学にとっても非常に重要ですから、当然ともいえます。
このチェック期間をどれだけとるかは、各大学の作業人員数、作業組織・方法、作業内容によって違うのでしょう。
成果は採択/提出比で定量化できると思われます(単純か?金額も入れるとか、あるいは長期的な適応度を考え、入学者数とか研究者になった人数で評価するとか?)
軍事におけるロジスティクスでは膨大な物資と人員を効率よく運用するため、オペレーションズリサーチといった科学的分析がなされていますが、大学ではそういう取組はなされているのでしょうか。
実際応用されているかはともかく、少なくとも大学は研究対象としては面白そうですし、どなたか取り組んでいる研究者の方もいそうです。
さておき、
締め切り当日で方向性を改め、なんとか書き直し若手Bで提出。
気になるのは書類にあった下記の項目。
> 今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況等
> 3.本研究の研究成果を社会・国民に発信する方法等
自分の仕事柄、こういった項目があって、各研究者に意識づけ(例によって上からの意識づけではあるが)がされるのは悪いことではないと思います。
しかしその反面こういう項目があってもほとんどの人は
・論文・学会発表・一般書籍作成・一般向けイベント実施
となにかぼんやりしたことしか書けないのではないか、と思います。
そういうこと毎度毎度多くの研究者が書いていながら、実質的な社会(大学外の社会)への発信はあまりしない、できない、ということがおきると、そのうちに逆にこういった「発信」がどんどん虚構化していていく危険性もあると思われます。
「発信」について個々の研究者(研究室)が努力すべきことも多いですが、実際問題として研究室レベルで「発信」のための質の高い活動ができるかどうか、というとかなり難しいというのが実感です。
また、できるところとできないところの差がますます広がり、「富める者はますます富み」という例によって例のごとしとなるのではないでしょうか。
ある程度のベースについては大学としての取組が必要と思われますが、企業や軍隊という完全なヒエラルキー組織と違い、大学という複雑怪奇な組織で、大学全体の利益を最大化しつつ、それぞれの研究者の発信をどうロジスティクスしていくかは、かなり難しくも面白いテーマだと思います。