再生可能エネルギーの現状と未来

石垣から帰って早々ですが第2回日本気象協会メセナシンポジウム「再生可能エネルギーでわたしたちがつくる未来」を聞きに行ってきました。
会場は渋谷の国連大学ウ・タント国際会議場

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再生可能エネルギーに関する技術、NPO、経済の分野の方々が一挙に講演されるお得な企画なので、少々疲れが残るものの参加してみました。

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そうそうたる方々が講演されていましたが、印象的だったのは環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏。
わかりやすいパワーポイントと明確なメッセージ(もちろん飯田氏の立場として)で引き付けられました。
内容はざっくりと言うと、以下の通り。

・原発など集中大電源は安定・低コストで、太陽光など分散電源は不安定、高コストであるという認識はもはや過去のものになりつつあり、ナイーブな議論である
・あらたな産業としての再生可能エネルギー市場の確立には明確な政策的意識と制度設計の両立が重要
・エネルギーは社会のあらゆる場面(家庭など)において政策化している。そういった意識の構造化が必要
・地域資本で設置し、都心へ売電し、収入を地元におとすオーナーシップが重要

なるほど確かに、と思いましたが、具体的にどのように地域のエネルギービジネスをNPOという立場で展開しているのか、それが持続可能なのか、といった点について疑問を持ちました。

そういった疑問点は、このシンポジウムでは質問用紙で回収していました。質問用紙を事前に配っておいて休み時間に回収し、パネルディスカッションでその質問の一部に答える、という方法です。
今回のような3ケタの集客があるイベントでは有効な方法だと思いますし、実際結構質問用紙は集まっているようでした。
しかしディスカッションはその質問が反映されているのか、いまいち不明。事前に仕込んでおいた議題ではないかなぁと。回答できなかった質問はwebで回答するとのことでしたので、とりあえず期待してまつことにします。

あと、運営に関して興味深かったのが、イベントをカーボンオフセットにしていること。
環境省のJ-VERという制度を利用して、会場の電気や、来場者の移動に関して排出されるCO2相当分をオフセットしているとのことです。
北海道下川町が間伐・森林育成事業をJ-VERによって証書化、それをこのイベントが買って、CO2排出分をオフセットします。下川町はそれで得られた資金をさらに間伐・森林育成事業を行い、CO2吸収に貢献するというサイクルです。

再生エネルギー云々を語るだけではなく、実際にその排出責任を何らかの形で果たすという点ではよい試みだと思います。火をつけておいて消すのではなく、消すつもりでもその前に火をつけて回っているということはよくあります。

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ただ、大学が外部資金などで行う国際フォーラムなどでこういった証書への支払いが可能なのだろうか?と思いました。アウトリーチ義務化があるなら、カーボンオフセットもあってよいかもしれませんが、文科省系の事業の場合、J-VERは環境省系の事業なので難しいのかもしれません。もしかしたら環境省系の研究予算ではOKだったり推奨されていたりするのか?

などと思いつつ講演後、飯田氏が講演内で紹介していた「岩波 世界」掲載の「新政権の環境エネルギー政策はなぜ逆噴射したか」を買って読もうと、隣の某ブックセンターへ。

・・・しかし見当たらない。
店員さんに聞いてみるが、「?」という反応。すでに存在すら認識されていない様子。
その店員さんは別の店員さんに確認し扱ってないということが判明。

大体某ブックセンターはファッション性が高いオサレ書店なのでしょうが、「世界」を含めいわゆる文芸誌や総合誌がない。あるのはユリイカ最新号と前号だけ。

まぁ私もほとんど「軍事研究」(版型が同じだけだ!)しか読まない人間ですが、それにしてもやはり大きな本屋には「文芸春秋」やら「中央公論」やら「世界」やらが置いてあるのがなんか安心できるもんです。

そういった私の感覚もファッションでしかないのですが、もはやそのファッションにさえなっていないのだなぁと今更ながら実感。全然売れてないという話は聞いていましたが。

話が脱線してしまいました。もうもどってこれないくらい脱線してしまったので今回はこれにておしまい。