第1回「メタ研究」研究会:学問分野の文化差から探る異分野融合研究のあり方

<趣旨>
異分野融合、特に、人文科学・社会科学と自然科学にまたがる研究プロジェクトでは、共同研究の成立と持続に大きな課題をもっています。本研究会では、こうした異分野融合の共同研究とその困難について、具体的な事例をあげて明らかにし、共同研究のマネジメントに必要とされる事柄や、共同研究を対象とするメタ研究のアプローチの方法を議論します。

<プログラム>
日時: 2019年8月1日(木)14:00〜16:00
場所: 北海道大学大学院保健科学研究院 6階大会議室
 14:00〜14:10 趣旨説明
 14:10〜14:50 発表1(発表30分・質疑応答10分)
 14:50〜15:30 発表2(発表30分・質疑応答10分)
 15:30〜16:00 総合討論

<発表内容>
1. うまくいなかった事例から考える文理融合のありうべきかたち
中尾 世治 氏(総合地球環境学研究所 サニテーションプロジェクト・上級研究員)
最近の日本文化人類学会誌『文化人類学』上での農学者による論文に対する疑義と応答を、ひとつのフィールドを深めていく人類学と複数のフィールドをまたぐタイプの農学との学問分野の違いとして検討する。具体的には、他の分野へのフィールドの紹介者としての人類学者の役割の功罪、共著の文化の有無、フィールドワークのイメージと方法の違い、といった文理融合の躓きの石を、発表者の参与している共同研究プロジェクトでの経験を踏まえつつ、論じる。

2. 文理融合を促進維持させるプロジェクトマネジメント
天野 麻穂 氏(北海道大学 大学力強化推進本部 URAステーション・URA)
文系(人文科学・社会科学系)と理系(自然科学系)にまたがる学際化を「文理融合研究」という。文理融合研究プロジェクトの成功事例は、全国的にも決して多くはない中で、15年近く継続しているサニテーションプロジェクトに着目した。研究者4名に対する半構造化インタビュー調査を行い、得られたデータについてM-GTA法に基づく質的分析を試みた。特に、文理融合プロジェクトを効果的にマネジメントするために必要な要素を見出したので報告したい。

<主催>
北海道大学 大学院理学院 科学技術コミュニケーション研究室・科学基礎論研究室
総合地球環境学研究所 サニテーションプロジェクト

<問い合わせ先>
参加をご希望の方は、事前に以下へご連絡ください。
北海道大学 大学院理学院 科学技術コミュニケーション研究室(川本グループ)
y-kataoka(a)eng.hokudai.ac.jp(担当:片岡)