ロンドンメトロポリタン大学のバイオセキュリティリサーチセンター(BSRC)が、生命科学のデュアルユース性に関して、大学での制度作りの重要性を訴えるマンガをリリースしています。
COVID-19によって、あらためてウイルスのGOF実験に対する懸念が増大しています。実験の現場におけるDURCと生物・毒素兵器禁止条約(BTWC)の接続は未だ弱いままという問題が背景にあります。
下の方にある「a series ofcartoons」をクリックするとpdfをダウンロードすることができます。
日本人になじむマンガかというとちょっと違うなと思いますが、学生や実験をする人をターゲットにしているというよりは、管理者をターゲットにして、教育や制度作りを促している点で興味深く、日本の状況の遅れとアプローチの違いを感じます。
バイオセキュリティ/セーフティに関するデュアルユース教育は、リスクコミュニケーション教育であるということはもちろんですが、実験施設の問題を思い出せば明らかなように、必然的に社会への説明責任・透明性なども含む問題です。そして、制度をつくるべき立場にある人が、法的問題をふまえつつ、どのように教育をすべきかを教育するという段階も重要です。
まさにweb of preventionを実現するには多様なアクターをつなぐコミュニケーション教育が必要なわけです。
【2021年7月30日追記】
このマンガに関する論文
Tatyana Novossiolova, Malcolm Dando, and Maurizio Martellini
Enhancing the Utility of Codes of Conduct for Chemical and Biological Security through Active Learning
ACS Chemical Health and Safty 2021